
(03/17)
あのオバマ米大統領もその一節を引用した名曲“A Change Is Gonna Come”などで知られる偉人、サム・クック(Sam Cooke)の伝記映画がついに実現に向けて動き出したようだ。
この偉大なるミュージシャンの伝記映画については以前から製作に向けてサム・クックの楽曲著作権やマスターテープなどを保有するABKCO Records主導で取り組まれていたが、いよいよ脚本も仕上がり、実現への新たなステップに進んでいる。2005年出版のピーター・ギュラルニック(Peter Guralnick)による伝記本“Dream Boogie: The Triumph of Sam Cooke”を元にしたこの映画、ビートルズ(the Beatles)の楽曲のみで構成されたミュージカル映画『アクロス・ザ・ ユニバース』の脚本を担当していたディック・クレメント(Dick Clement)とイアン・ラ・フレネ(Ian La Frenais)がようやく脚本を仕上げたとのことで、続いて監督を探す段階だという。
ABKCOのジョン・クライン(John Klein)取締役は、「ピーターによる伝記本を映画の脚本にできるライターを長年探し続けていたが、ディックとイアンに出会ってカチッとうまく決まった。彼らがサム・クックというアーティストを理解しているし、当時のこともよく分かっている。彼らは素晴らしい脚本を仕上げてくれた」と米Billboard誌に明かしている。クラインによれば、この映画はサム・クックの33年間の生涯すべてを描くものになるようで、ゴスペル・シンガーとして活躍したキャリア初期、R&Bへの進出と成功、公民権運動との関わりはもちろんのこと、黒人アーティストによるものとしては先駆けとなった音楽出版社の設立についてやレーベル運営者としての顔などにもスポットが当たるとのこと。
サム・クックは、主に50年代後半から60年代半ばにかけて活躍したソウル・シンガー。現在も“You Send Me”、“Cupid”、“A Change Is Gonna Come”などがカバーされ続けており、影響を受けたアーティストは数知れず、R.ケリー(R. Kelly)も最新作“Love Letter”などでオマージュを示している。1964年12月に銃殺された直後にリリースされた“A Change Is Gonna Come”は公民権運動が盛り上がる中発表されたメッセージ・ソングとして今なお歌い継がれている。2008年に発表された米Rolling Stones誌による「100 Greatest Singers Of All Time」(いつの世にも変わらぬ偉大なシンガー100人)では、ジェイムス・ブラウン(James Brown)、マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)、ジョン・レノン(John Lennon)らを抜いて4位に選ばれている。(s)
配信:
ニュース提供:bmr.jp
他のニュースを見る
著作権管理団体 許諾番号
JASRAC 6834131012Y30005
JRC X000040A01L
e-License ID18099
(C)Blau