
(04/08)
全米レコード協会は、現在109カテゴリーもあるグラミー賞を整理し、約3割減の78カテゴリーにまで縮小することを発表した。
数ある音楽賞の中でも世界的にもっとも権威あるとされるグラミー賞は、主要4部門とも呼ばれるジェネラル・フィールドと別に音楽ジャンルによって分かれた「フィールド」があり、その中にさらに細かく部門分けされた「カテゴリー」があるという構成になっている。1959年のスタートからカテゴリー数は年々増加傾向にあり、当初の28カテゴリーからおよそ4倍にまで膨らんでいる。これはサブジャンルの拡大など時代の流れに応じた結果だが、さすがに109カテゴリーは「多すぎる」とする声もあった。
全米レコード協会は2009年に授賞選考プロセス全体の評価調査に初めて取りかかり、その結果、刷新が必要であると判断。念入りな調査やディスカッションを経て、最終的にカテゴリー数を78にまで削減することとなった。フィールド数には変更がない。
このカテゴリー数の削減は、各フィールド、つまり各ジャンルによるカテゴリー数の偏りを是正しようという意図によるもの。たとえば、これまでラップ・フィールドは4カテゴリー、つまり授賞部門が4つしかなかったのに対し、R&Bフィールドは性別やソロとグループなどによる区別で7カテゴリー、ポップ部門などは13カテゴリーもあり、ジャンルによって授賞の機会が均等でないと指摘されていた。今回の削減により、カントリー、ジャズ、ロック、ポップ、R&B、ラップはすべてカテゴリー数が4つにそろえられている。
このカテゴリー数削減に加え、ゴスペルは「ゴスペル/コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック」に、ダンスは「ダンス/エレクトロニカ」といった具合に4つのフィールドで名称変更が為されるなど、その他の点でもさまざまな改正がされている。
各カテゴリーの候補エントリーは、これまでの最低25組から最低40組へと増やされた。これまでノミネート候補は各カテゴリーにつき4組だったが、この変更により仮に候補エントリーが25組から39組と40組に満たない場合はノミネート候補は3組となり、候補エントリーが25組にも満たない場合はその年はそのカテゴリーそのものが無くなる。3年連続で候補エントリーが25組に満たないカテゴリーは消滅する。
さらに投票方式にも変更が加えられた。投票は2段階方式で行われるが、これまで投票者は、第1次投票では主要4部門(年間最優秀レコード賞、年間最優秀アルバム賞、年間最優秀楽曲賞、最優秀新人賞)を持つジェネラル・フィールドに加えて9つのフィールドの全カテゴリーで投票でき、第2次投票ではジェネラル・フィールドに加えて8つのフィールドの全カテゴリーで投票ができた。しかし今後は、第1次投票、第2次投票ともにジェネラル・フィールドの4カテゴリー以外は、20カテゴリーに投票が限られる。
これらの変更は、名誉理事のジミー・ジャム(James "Jimmy Jam" Harris III)らによる公式声明で米時間4月6日朝に発表された。来年開催される第54回グラミー賞から適用される。(s)
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ニュース提供:bmr.jp
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