
(07/05)
iPadの「app(アプリケーション)形式でリリースされるとして注目を集めている孤高の歌姫ビョーク(Bjork)の新作“Biophilia”だが、新作に絡んだインタビューで彼女が「ポップ・ミュージックは底が浅い」と発言し、話題を呼んでいる。
いよいよ9月26日発売と発表されたビョーク4年ぶりの新作“Biophilia”。6月30日には英マンチェスターで開催された音楽フェスで新作からの曲を初めてライブで披露したビョークは、英Guardian紙の取材に応じ、いまだ謎の多い“Biophilia”について説明。新作を「間違いなくポップ・ミュージック」としながらも、「わたしは民族音楽と呼びたいわ。この時代のフォーク・ミュージック。私はこれまでウォーホルとかあらゆるポップなものにあまりのめりこめなかった……だってちょっと底が浅いように思うから。私は(ポップよりも)フォーク、民族という呼び方が好き。人々、人間ね」と、ポップアートの旗手であるアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)を名指ししながら語っている。
iPadというデバイスに触発され、楽曲の一部をiPadで制作し、さらにそのアプリ形式のシリーズとして発売予定である“Biophilia”は、自然や生命、音楽やテクノロジーについて学ぶことのできる‘教育的プロジェクト’でもあり、これまでの受動的リスニング体験から、能動的リスニング体験へと変わる画期的な作品だという。10個の独立したアプリと、それらを内包できるひとつの‘マザー’アプリで構成され、10個のアプリそれぞれが“Biophilia”の収録曲10曲それぞれと結びつき、曲が持つテーマの世界観をゲームや映像などで体感できるという。6月29日にファースト・シングルとしてサーバン・ゲニー(Serban Ghenea)によるバージョンの“Crystalline”の楽曲データがリリースされているが、そのアプリにはゲーム、楽譜データ、この楽曲の構造とクリスタルとの相関関係についてのエッセイなどが収録されており、クリスタルを収集するゲームではその結果によって、楽曲をカスタマイズできる。他にも“Virus”ではウイルスに攻撃された細胞についてのストーリーが展開され、“Cosmogony”では3D映像の宇宙を眺めることができるいう。
iPadやiPhoneで動くappsとしてリリースされるだけでなく、音源そのものは通常のCD形式や“Crystalline”同様デジタル・ダウンロード形式としても発売される予定だが、iPadやiPhone以外のデバイスへの移植はコストが高くつきすぎるため予定されていないとのこと。ライブでは特注の楽器を用意するなど、この“Biophilia”にはこれまで以上の気合いで臨むビョークは、プロジェクトに3年の製作期間と巨額の投資をしており、「収益がマイナスにならなかったらラッキー」とも語っている。(s)
ニュース提供:bmr.jp
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