
(08/09)
6日から、警官による射殺事件をきっかけに火が付いたロンドン暴動についてミュージシャンたちも様々な反応を示している。
イギリスで育ったM.I.A.は、この暴動について当初「暴動を起こしているところに紅茶とお菓子を届けたい」と暴動の支持と受け取れるコメントを投稿。その後これを削除し「クロイドンの私のいとこの店が略奪された。食糧も全部明け渡してる」「5歳の子供が私のいとこのゴールド・ショップで略奪している」などとツイートしたが、一方で「もしこの10年間、この若者たちが作ってきた音楽を無視してきたのでなければ、彼らが何を考えているかわかるはずだ」というコメントも引用。グライム/ロード・ラップなどと呼ばれるラップ・ミュージックで貧困と暴力、希望の持てない社会状況を歌ってきた若者たちの存在が、この暴動の背景にあると示唆。また風刺のきいたラップで知られるスクルービアス・ピップ(Scroobius Pip)はこの暴動について「イギリスが自分の顔を殴っている、繰り返し」と表現している。
海を渡ったアメリカではディディ(Diddy)らが「prayforlondon(ロンドンのために祈ろう)」というキーワードを広めているが、タリブ・クウェリ(Talib Kweli)は「ロンドン、頭を使うんだ。俺たちはロス暴動を、ニューオーリンズの‘略奪者’を経験した。これは制度的な問題なんだ」「オレは暴動を弁護はしない。バカげてる。でも、社会的な問題なしに誤って暴力が振るわれることはないということを無視するほど、オレはバカではない」などとコメント、さまざまな意見の持ち主と議論している。
イギリスでは若者の失業率が高く、低所得層が苦境から脱出するチャンスが少ない社会情勢にあり、6日に発生した警官による黒人男性射殺事件をきっかけにこういった不満を抱える層が暴徒化したものと見られている。略奪、放火、車の破壊などが拡大し昼間は小康状態に入るも、夜になると再び暴動が起きる状態で3日目に入った。トッテナムでの事件をきっかけに、暴動はハックニー、ベッカム、さらにカムデンやノッティング・ヒルなどロンドンの各地域に拡大、リバプール、バーミンガムなどイギリスの他の都市にまで飛び火し、逮捕者だけで既に200人を越えたと発表されている。ちなみに最も若い逮捕者は11歳との報道もあり、若年層を中心とした怒りがそのまま噴出した形となったようだ。
ニュース提供:bmr.jp
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