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ブラザー・アリ、「占拠せよ」運動で逮捕される
(06/26)
米ミネアポリスのインディ・レーベル Rhymesayers Entertainmentで独自のシリアス路線を突き進むラッパー、ブラザー・アリ(Brother Ali)が「占拠せよ」運動に参加したために逮捕された。

ブラザー・アリは、アルビノとして生まれたために視力もほぼ失っており、白人ながら社会で疎外感を味わい、黒人たちと過ごす方が気楽だったという生い立ちを持つラッパー。そのバックグラウンドゆえか社会的な問題にも意識が高く、昨年からはじまったいわゆる「占拠せよ運動」(Occupy movement)にも参加。サブプライムローン問題によって家を差し押さえられたクルーズという家族をサポートするために、サウスミネアポリスにある差し押さえ対象となっている家を占拠しようという、「オキュパイ・ホーム」という抗議活動を行った。

警察が当該の家を警備する中、家の敷地内に入った時点で不法侵入により逮捕されるという警告がなされていたものの、6月21日、アリたちは率先して玄関に向かって歩き、逮捕されることで抗議するという行動に出た。支持者たちが「アリ! アリ! アリ!……」と合唱するなかで手錠をかけられる動画がインターネット上に公開されている。この活動では13名が敷地に侵入、逮捕されたが、アリは22日早朝には保釈されている。

逮捕される際にはノーコメントを守ったブラザー・アリだが、ミネソタ州で放送されているラジオ番組「The Current」のインタビューに応じ、オバマ大統領の誕生をサポートしたもののその結果には裏切られたと語り、政治が企業と結びつき不公正を行なっているという考えを披露。そのなかで、選挙ではなく占拠することで抗議の意思を示す「占拠せよ運動にはエキサイトしている」とコメントしている。また、失業などから2ヶ月間の住宅ローンを滞納し、購入した家を追い出されたモニーク・ホワイト(Monique White)という女性が、このオキュパイ・ホーム運動によって銀行にローン契約の継続を認めさせ、家を取り戻したというエピソードも紹介している。

ブラザー・アリは8月21日に新作“Mourning In America And Dreaming In Color”(意訳:「アメリカで嘆き、人種の間に夢をみる」)を発売予定だが、こうした状況を踏まえた、社会的なメッセージが色濃い内容が予想される。また、この新作に合わせてホームボーイ・サンドマン(Homeboy Sandman)との合同ツアー日程も発表済み。

ニュース提供:bmr.jp

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