(08/15)
気鋭のジャズ・ピアニストとして知られるロバート・グラスパーが、R&Bやヒップホップにも接近する実験的なカルテット、ロバート・グラスパー・エクスペリメント(Robert Glasper Experiment)名義で今年発表した新作“Black Radio”は、豪華ゲストはもちろんのこと、ジャズの枠を超えた内容で話題を呼んだが、この10月にピート・ロック(Pete Rock)やルーツのクエストラブ(?uestlove of the Roots)、ナインス・ワンダー(9th Wonder)といった面々によるリミックスを収録した新作が発売されることが発表された。
グラスパーは、若手では最高峰の腕前とも言われる、クリス・デイヴ(Chris Dave)、デリック・ホッジ(Derrick Hodge)、ケイシー・ベンジャミン(Casey Benjamin)という実力派プレイヤーとのカルテットとして実験的なサウンドを聴かせるロバート・グラスパー・エクスペリメントの活動でも知られるが、このエクスペリメント名義で今年、「ブラックのラジオ」を掲げた新作“Black Radio”をリリース。エリカ・バドゥ(Erykah Badu)、モス・デフ(Mos Def)ことヤシーン(Yashiin)ら総勢13組のゲストを迎えたこの新作は、一部からは「ジャズじゃない」との批判も浴びたが、「可能な限り多くの人に聴いてほしい。“嫌いだ”って言われたっていい。ジャズ・ミュージシャンのアルバムはだいたい、嫌われるチャンスすらないものだから」というグラスパーの願いどおり、米Billboardのジャズ・アルバム・チャートで初登場1位、R&B/ヒップホップ・アルバム・チャートで4位、米iTunes総合チャートでも最高3位と好評を博した。
そしてこの収録曲が、新たにリミックスで生まれ変わる。10月9日に6曲入りEP“Black Radio Recovered: The Remix EP”としてリリースされ、新たにフォンテ(Phonte)を迎えたナインス・ワンダーによる“Afro Blue”のリミックス、ピート・ロックによる表題曲“Black Radio”のリミックス、ジョージア・アン・マルドロウ(Georgia Anne Muldrow)による“The Consequences of Jealousy”のリミックス、ソランジュ(Solange Knowles)とルーツを迎えたクエストラブによる“Twice”のリミックス、そして新たにブラック・ミルク(Black Milk)を迎えたグラスパー自身による“Letter To Hermione”のリミックスの5曲に加え、故J・ディラ(J Dilla)に捧げる追悼曲で、“Black Radio”セッション中に録音されたもののこれまで発売はされていなかった“Dillatude”を加えた全6曲となっている。
なお今年6月の来日公演も盛況だったロバート・グラスパー・エクスペリメントだが、9月以降もアメリカを中心にツアーを続ける予定。また、9月23日にはiTunes Festival 2012への出演も決まっている。
“Black Radio Recovered: The Remix EP” tracklisting:
1. Afro Blue feat. Erykah Badu / 9th Wonder's Blue Light Basement Remix feat. Phonte
2. Black Radio feat. yasiin bey / Pete Rock Remix
3. The Consequences of Jealousy feat. Meshell Ndegeocello / Georgia Anne Muldrow's Sassy Geemix
4. Twice / ?uestlove's Twice Baked Remix feat. Solange Knowles & The Roots
5. Letter to Hermione (feat. Bilal) / Robert Glasper and Jewels Remix feat. Black Milk
6. Dillatude
ニュース提供：bmr.jp
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