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ライアン・レズリー、盗難Mac発見者への「100万ドル懸賞金」でトラブル
(12/03)
新作『Les Is More』では全編ラップに挑戦したことも話題となった人気プロデューサーのライアン・レズリー(Ryan Leslie)が、2010年に盗難に遭い、100万ドルの懸賞金をかけて手に戻したMac Bookなどについて、発見者にまだ懸賞金が支払われておらず、裁判で支払い命令が下されたと報じられた。

ライアン・レズリーは2010年の10月23日、欧州ツアーのため滞在中だったドイツで、ナイトクラブでのパーティに参加している隙に、レンタルしていた黒のメルセデスベンツS350の車内に置いていた自身のMacBookや現金などを入れたカバンを盗まれるという窃盗被害に遭った。レズリーは、最初は2万ドル(およそ160万円)の懸賞金をかけていたものの1週間以上経っても結果が出ないためか、11月にはいって100万ドル(およそ8200万円)に吊り上げ、同月27日にドイツのケルン近郊にある森の中で52歳の男性が犬の散歩中に発見し、地元警察に届け、中にあったパスポートから彼の元に連絡がいったことで無事レズリーのもとに帰った。

当時から約束された懸賞金が支払われていないと言われていたが、先日、米New York Post紙がこの件を取り上げ、「100万ドルを支払うべき」と大々的に報じた。New York Post紙はレズリーを「ケチ」「約束を破る男」などと形容しながら、この懸賞金を巡って裁判沙汰になっていたことを伝えている。ライアン・レズリーは、ハードドライブ中にあった未発表トラックがアクセスできない状態になっていることを挙げて、懸賞金の支払いを拒否。発見者側はデータ自体は存在するのだから100万ドルを支払うべきだと主張し、11月28日に発見者へ懸賞金を支払うよう判決がレズリーに下ったという。陪審員はさすがに「100万ドルは高すぎる」として、両者に額の引き下げの話し合いをするよう求めたとか。同紙はまた、ドイツからわざわざ米マンハッタンの裁判所まで出向いていた発見者にインタビュー、「大変幸せです……アメリカの司法システムは我が国とはまったく違うのですが、専門職ではなく一般人の陪審員による制度がよい方に働きました」と判決に安堵し、一方でレズリーが発見者を盗難事件に関わっていると見なしていることについて「レズリー氏には幻滅しました」とのコメントを伝えている。

しかしこの報道についてライアン・レズリーは、ライブ会場でこの件に言及。2万ドルから100万ドルへと懸賞金を釣り上げた理由について「音楽は俺の全て、俺の人生だからだ」と訴え、「戻ってきたハードドライブを見ようとすると、音楽データはもうそこになかった。ハードドライブが立ち上がらなかったんだ。どのデータにもアクセスできなかったよ。1年後、発見者のジェントルマンが……俺が何に対して100万ドルを払おうと思ったか彼が分かってないからなのか……ニューヨーク市で起訴してね。もう二度と取り戻せない音楽のために100万ドルを支払えってさ」と説明。「陪審員がなんと言おうと、100万ドルは俺の“曲”を返してくれた人のためのものだ」と、判決に不服の姿勢を語った後で、彼を「Rap weasel」(※weaselは約束を破る、卑劣な者などの意味がある)などと形容したNew York Post紙をステージで燃やし、怒りのラップを披露するパフォーマンスも行った。

一方でNew York Post紙はこのレズリーの対応について、「我々はニューヨークでもっともホットな新聞だ! ケチなラッパーのライアン・レズリーは自分を応援してくれる観客の前で幣紙を燃やすパフォーマンスをした」などと報じており、レズリーとNew York Post紙の対立へと発展している。

盗難被害に遭ったライアン・レズリーのハードドライブには、当時制作中の『Les Is More』の未発表音源データや、ジェイ・Z&カニエ・ウェスト(Jay-Z & Kanye West)『Watch The Throne』用のセッション・データなどが収録されており、この影響でレズリーは、アルバムを作り直すために『Les Is More』の発売を当初の予定から2年近く延期させ、また『Watch The Throne』への参加もなくなった。

ニュース提供:bmr.jp

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