eastern youth ライブレポート



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世界は相変わらずクソったれ!でも素晴らしい!


梅雨明けの暑い東京に戻ってきたeastern youthの、7月19日に渋谷O-Eastで行われた「極東最前線/巡業2011 〜アノ窓コノ窓灯火トモセ〜」ツアーファイナルをライブレポート!


定刻よりちょっとだけ過ぎたころ、暗転。満員の会場の熱気の中、二宮(Ba.)、田森(Dr.)、吉野(Vo.Gt.)が登場。ステージ上には中指を立てた指の置物と、ヒマワリが1輪。

『来たぜ東京、帰って参りました(けーってまいりました)。びっくりしました、暑すぎて(笑)』と話した吉野。『ぐるーっと一回りしてまた振り出しに戻る』とひとこと、そして1曲目「ドッコイ生キテル街ノ中」でライブは幕を開けた。

続いて「靴紐直して走る」「這いつくばったり空を飛んだり」といった1曲目に続き最新アルバムの疾走感溢れるナンバー。さらに名曲「沸点36℃」で会場はヒートアップ!

『喉元過ぎれば熱さ忘れるというけど、雨が降ってくるのをびびったり、水を飲むのをびびったりしてるひとも、あんまりいないんじゃないか?』吉野が言う。

『なっちまうようになっちまえば、あきらめるってのもあるよな、雨でびしょびしょになって、わぁ゙ーーーーっっっ!!てなる、あれもあれで気持いいじゃん!その俺の楽しみを!どうしてくれんだ!!』"原発"という言葉は使わなかったけれど、震災後の原発事故へのどうしようもない想いをステージから叫ぶ。

『よく沸くコンロだなーと思ってたけど、使わねぇ方がいいわ、爆発したから。』ぼそっと吉野がつぶやいた無骨な一言が胸に響く。『そう!俺たちはその雨がどんな雨でも、断然濡れて帰るね!』と言って「雨曝しなら濡れるがいいさ」に突入、一斉にオーディエンスは声を上げ、真っ直ぐにこぶしが突き上げる。

震災と原発事故という厳しい現実で感じる無力さ、怒りのようなものによるのかeasten youthは凄みを増しているように見えた。
彼らが四苦八苦してもがいている有様と無骨な叫びは、時に無様に映るかもしれないが、それが時に一番輝いて見えると思う。

最後の「素晴らしい世界」の熱唱中、曲のクライマックスに地震が発生、渋谷の会場も照明が揺れる震度3だ。しかし会場の熱狂はとまらずeastern youthも演奏を続け、オーディエンスもコブシを突き上げ叫びをやめない。

震災から4ケ月が経ち、普段の生活を取り戻し始めている東京でも、ふと自分が、そしてこの国が置かれている厳しい状況現実を目の前につきつけられることがある。そのたびに歯を食いしばり力強く前を向こうとする日本の逞しさがまさにこの瞬間に現れているかのようだった。

鳴り止まないアンコールに応えてステージに出てきたeastern youthは、「夜明けの歌」「一切合切太陽みたいに輝く」を熱唱して熱気は最高潮。さらにダブルアンコールでは「夏の日の午後」を演奏して、暑くて熱い梅雨明けの東京のステージを後にした。

(mero.jp 古川)

■セットリスト

1. ドッコイ生キテル街ノ中
2. 靴紐直して走る
3. 這いつくばったり空を飛んだり
4. 沸点36℃
5. 荒野に針路を取れ
6. 東京west
7. 踵鳴る
8. 雑踏
9. 午前0時
10. 尻を端折ってひと踊り
11. 男子畢生危機一髪
12. 青すぎる空
13. 雨曝しなら濡れるがいいさ
14. 素晴らしい世界
--アンコール--
15. 夜明けの歌
16. 一切合切太陽みたいに輝く
--アンコール2--
17. 夏の日の午後
■演奏曲

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